【注意!】特定技能ビザの申請までのフローが長くなっています
在留資格「特定技能」の取得には、各分野の協議会への入会が必須となっており、これが申請準備の重要なステップとなります。しかし、最近では協議会入会に時間がかかり、場合によっては追加の条件や費用が必要になることもあります。特に新しく追加された分野では、要件が複雑な場合があり、しっかりとした事前調査と準備が欠かせません。この記事では、協議会入会における具体的な注意点や、手続きが円滑に進むためのポイントを紹介します。
2024年9月に新分野の詳細が発表されました
2024年9月末に、新分野である「鉄道分野」「林業分野」「木材産業分野」についてと、既存分野「工業製品製造業」の新区分について発表がされました。
鉄道分野では、「軌道整備」「電気設備整備」「車両整備」「車両製造業」「運輸係員」の5区分が追加されます。林業分野では、育林、素材生産等の業務が対象になります。木材産業分野では、製材業、合板製造業等に係る木材の加工等の業務が対象となりました。
また、既存分野である「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」は「工業製品製造業分野」に名称が変更となり、7業務区分が追加されました。追加される業務区分は、「紙器・段ボール箱製造」、「コンクリート製品製造」、「陶磁器製品製造」、「紡織製品製造」、「縫製」、「RPF製造」、「印刷・製本」です。これに伴い、鉄鋼、アルミサッシ、プラスチック製品、金属製品塗装、こん包関連の事業所を受け入れ可能な事業所として追加されました。
新しく追加された分野の要件の傾向について
新しく追加された分野や区分の特徴として、協議会入会のために「一定の条件」が課せられている分野があるということです。在留資格「特定技能」の申請では、各分野の協議会に入会していなければなりませんが、その協議会に入会するための「要件」があります。この「要件」はすでに満たしているものもあれば、これから準備をして満たす必要があるものもあります。
この要件が上乗せされている分野は、工業製品製造業分野の「繊維工業」「印刷・同関連業」「梱包業」、「林業」、「木材加工業」が挙げられます。具体的には下記のような準備が必要です。
分野 | 協議会入会のための要件 |
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工業製品製造業・繊維工業 | 一 国際的な人権基準に適合し事業を行っていること 二 勤怠管理を電子化していること 三 パートナーシップ構築宣言を実施していること 四 特定技能外国人の給与を月給制とすること |
工業製品製造業・印刷・同関連業 | 全日本印刷工業組合連合会、全国グラビア協同組合連合会、全日本製本 工業組合連合会のいずれかに所属していること |
工業製品製造業・こん包業 | 日本梱包工業組合連合会に所属していること |
林業 | ●育林、素材生産の場合(以下2つのうちいずれか) ・「林業労働力の確保の促進に関する法律」に基づく認定事業主であること ・「森林経営管理法」に基づき都道府県知事が公表した民間事業者であること ●種苗生産、薪炭の場合 ・「農林水産業・食品産業の作業安全のための規範(個別規範:林業)事業者向けチェックシート」による取組状況を協議会へ提出 |
木材加工業 | 「農林水産業・食品産業の作業安全のための規範」に基づく取組を行っていること (協議会加入時および加入後2年ごとに、(一社)全木連に取組状況の確認を受けること) |
上記の通り、分野によっては何かしらの連合会に所属していなければならない、という分野もあります。建設業分野のJACの正会員の会員になる場合がそうなのですが、連合会によっては、会費が発生したり、また入会時期が決まっている連合会もあるかもしれません。つまり、予定していなかった費用が発生したり、余計に時間がかかる可能性があります。
おそらく、これから追加される分野の特徴として、適切な外国人雇用の実現のために、上乗せ条件のようなものが増えていくのではないかと思います。あらかじめよく確認が必要です。
要確認!申請までのフローとかかる時間について
特定技能外国人を雇用するためには、入管へ在留資格申請をする必要がありますが、在留資格「特定技能」の申請は、他の就労系在留資格と比較しても、書類の数が多く、また申請までに済ませておかなければならない準備が多くあります。初めて特定技能外国人を雇用する場合、申請準備に1ヶ月半~2ヶ月(スムーズな場合)、審査期間1~5ヶ月(入管や時期にもよる)かかりますが、これに加えて、協議会に入会するための準備も見積もる必要があり、ますます、申請までの時間が長期化していると言えます。
以下は、特定技能外国人を雇用するまでのフローです。申請までに計画をしっかり立てる必要があることが分かります。
まとめ
在留資格「特定技能」の申請のためには、各分野の協議会に入会する必要がありますが、最近はどの分野でもこの協議会入会のために時間がかかっていますが、協議会に入会するための要件がある分野があるため注意が必要です。協議会に入会するための条件を満たすために、時間や費用がかかる可能性があり、しっかりとした下調べと準備、時間の余裕が必要になります。特に、新しく追加された分野で申請する場合はよく確認が必要ですので、注意をしてください。