【重要】永住許可の審査が大きく変わる?「ガイドライン改定案」の重要ポイント
先日、出入国在留管理庁より「永住許可に関するガイドライン(案)」が発表され、現在パブリックコメント(意見公募)が行われています。今回の改定案は、将来的な法律の改正等を見据え、永住許可の審査における考慮要素や基準をより一層明確化することを目的としています。
本記事では、現在発表されている「案」のテキストに基づき、今後永住審査の何が大きく変わるのか、どのような点に注意すべきなのかを分かりやすく解説いたします。将来的に永住を考えている方は、ぜひ最後までお読みください。
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永住審査はどう変わる? 3つの要件と確認重要ポイント

永住許可を受けるためには、「素行善良要件」「独立生計要件」「国益要件」の3つを満たす必要があります。今回のガイドライン案では、これらの要件について、今まで以上に厳しい体的なチェックポイントが示されました。申請者にとって影響が大きいと思われる主要な変更点をご紹介します。
①【世帯年収】「日本人世帯の平均収入」を上回ることが条件に
これまで実務上は「年収300万円程度+扶養家族1人につき数十万円」といった目安がありましたが、今回のガイドライン案には以下の通り明確に記載されました。
「原則として、申請時点で、申請者の属する世帯年収の額が、世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準の額に継続して達しているかを考慮要素とします。」
つまり、単に「生活に困っていない」レベルではなく、日本人世帯の平均収入を上回る水準を継続して維持しているかが問われることになります。世帯人数が増えるほど求められる年収水準も上がります。
なお、年収の計算・考慮にあたっては以下のルールも明示されています。
- 同一生計世帯単位で審査: 単身の場合は本人の年収、家族がいる場合は世帯年収で判断されます。
- 「家族滞在」のアルバイト収入は合算不可: 資格外活動による収入は一時的・限定的なものとみなされるため、世帯年収には合算できません。
- 海外扶養も人数にカウント: 同居していなくても、海外の親族を扶養している場合は世帯人数に加算されます(5人以上の場合はさらに加算)。
- 独立した成人者は父母の収入は合算不可: 成人しているなどは親の収入を算入することはできません
②【年金・補填資産】将来の「受給見込額」まで審査
申請時点までの年金加入状況だけでなく、将来もらえる年金の「受給見込額」も考慮要素となります。
- 30年間の厚生年金加入と同等の水準: 日本人平均収入水準で30年間働き、厚生年金に加入した場合の受給額(受給年金水準)に達しているかが考慮されます。
- 不足分は「金融資産(補填資産)」で評価: 年金の受給見込額が届かない場合でも、年齢に応じた十分な金融資産(預貯金等)があればカバーできると判断されます。
③【日本語能力・社会適応】B1レベル以上の日本語やルールの理解
今回の改定案では、地域社会に適応して過ごすための能力や姿勢についても具体的にチェックされることになりました。特に確認すべき項目は下記の3点です。
B1相当レベル以上の日本語能力: 長期的に地域社会に適応するため、「日本語教育の参照枠」でB1相当レベル以上の日本語能力を有しているかが考慮されます(※高度人材や日本の学校教育を受けた方、永住者の子などは対象外)。
日本の制度・ルールの理解度確認: 「生活・就労ガイドブック」の内容を中心に、指定された方法で理解度が一定水準以上にあるか確認されます。
学齢期の子の就学: 義務教育期間の子供がいる場合、小学校・中学校に通学させていることが求められます。
④税金や保険の「過去の滞納履歴」も消極評価に
税金や社会保険料(年金・公的医療保険)については、単に「申請する時点で完納しているかどうか」だけでは不十分となります。たとえ申請時に未納がなかったとしても、過去に滞納処分を受けたことがあるなど、適切に支払っていなかった履歴が認められる場合は原則として消極評価(マイナス評価)となります。審査は原則として同一生計の世帯単位で行われます。
あわせて、入管法上の各種義務の遵守についても厳しく審査されます。住居地の届出や在留カードの常時携帯・提示義務、許容された活動以外の不法就労をしない・させないことなど、出入国管理上の義務を守っていることが必要です。申請時点の違反だけでなく、過去の違反が判明した場合についても原則として消極評価となります。
いつから適用される?(適用時期と先行適用注意点)

この新しいガイドラインは、令和9年(2027年)4月1日以降の申請から原則適用されます。
ただし、非常に重要な例外があります。 以下の2項目については、「改定日から6か月前の日以降の申請であって、改定日において審査中である案件」にも本年4月以降の申請分についても先行適用されます。
- 収入の要件(日本人平均を上回る世帯年収水準など)
- 公共の負担とならないこと
つまり、令和9年の全面施行を待つまでもなく、改定日の段階で審査中の案件から順次、厳しい年収基準などが適用される仕組みとなっています。
まとめ:現行基準で申請できるなら「今」動くのがおすすめ

今回のパブコメ案から分かるのは、「日本人世帯平均以上の年収水準」「B1レベルの日本語能力」「将来の年金見込額や補填資産」「ルール理解や過去の納税履歴」など、永住許可のハードルが非常に明確かつ実質的に引き上げられるという現実です。
現在はあくまで「案」の段階ですが、出入国在留管理庁が示す今後の審査方針であることは間違いありません。
「自分は現在の基準であれば、居住年数も年収も満たしている」
「税金や年金もきちんと払っている」
という方で、将来的に永住を取りたいとお考えであれば、要件がさらに具体的・厳格化される新ガイドラインの適用や先行適用を待つのではなく、現行基準のうちに速やかに申請準備を進めることをお勧めいたします。
ご自身の現在の状況で申請できるか、条件を満たしているか不安な方は、ぜひお早めに当事務所までご相談ください。現行基準での許可の可能性をしっかり診断いたします。

