専門卒の「技術・人文知識・国際業務」の勉強と業務内容の関連性の審査ポイント
在留資格「技術・人文知識・国際業務」は、日本の専門学校などを卒業した留学生が検討する主要な就労ビザの一つです。この在留資格を申請する場合、学歴や職歴が必要であり、専門学校などで学んだ内容や職歴が、就労予定の業務内容と関連していることが重要です。この関連性は、大学卒業者や一部の専門学校卒業生については比較的柔軟に判断されることが多いとされています。
本文では、日本の専門学校を卒業した外国人留学生が「技術・人文知識・国際業務」を申請する際に確認したい「学習内容」と「就労予定の業務内容」の関連性について解説します。
こちらの記事ではより詳細に説明をしています。是非ご確認ください。
在留資格「技術・人文知識・国際業務」とは
留学生が日本で就職する場合、就労ビザへの変更が必要です。この中で、主要な選択肢の一つである「技術・人文知識・国際業務」について説明します。
この在留資格では、就労における知識や技術、または国際的な背景に基づく思考や感受性を要する業務を行うことができます。比較的簡単に記述すると「会社等において 学校等で学んだこと/実務経験を活かした 知識や国際的な背景（言語や外国の感性等）を要する（「単純作業」、「訓練で習得する業務」、「マニュアルがあれば遂行可能務」等を除く）仕事をすることを目的とした在留資格（ビザ）」を目的とした在留資格と言えます。
「技術・人文知識・国際業務」の在留期間は、5年、3年、1年、3か月のいずれかが付与され、更新が認められることで継続して日本に在留することが可能です。ただし、この資格を取得するには、学歴や職歴が一定の要件を満たしている必要があります。
申請者が満たすべき要件
「技術・人文知識・国際業務」を申請するには、下記の要件を満たす必要があります。
「技術」「人文知識」分野の業務の場合
- 当該知識に関連する科目を専攻して大学を卒業し、又はこれと同等以上の教育を受けたこと
- 当該知識に関連する科目を専攻して本邦の専修学校の専門課程を修了（当該終了に関し法務大臣が告示をもって定める要件に該当する場合に限る。）したこと
- 10年以上の実務経験（大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校の後期課程又は専修学校の専門課程において当該知識に関連する科目を専攻した期間を含む。）を有すること。）。
「国際業務」の場合
- 申請人が外国の文化に基盤を有する思考又は、感受性を必要とする業務に従事しようとする場合は、次のいずれかに該当していること
- 従事しようとする業務に関連する業務について3年以上の実務経験を有すること。
- 翻訳、通訳又は語学の指導にかかる業務に従事する場合は、大学を卒業しているもの
これらの要件を満たすことで、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得する可能性が生まれます。
専門学校卒業者の場合の注意点
専門学校卒業者がこの在留資格を申請する場合、学んだ内容と就労予定の業務内容が密接に関連していることが求められます。
認定校か否かによる違い
- 認定校の場合: 文部科学大臣による「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」に認定された専門学校を卒業した場合、大学卒業者と同様に柔軟な審査が行われます。このプログラムでは、企業との連携による実習や日本社会に関する理解を深める教育が提供されており、質の高い教育が行われていると認められます。申請時には「認定学科修了証明書」を添付する必要があります。
- 非認定校の場合: 認定校ではない専門学校の卒業者については、就労予定の業務内容と学んだ科目の関連性が厳格に審査されます。関連する科目が1～2科目程度では認められず、一定割合以上の科目が関連している必要があります。ただし、関連性が認められる業務に3年以上従事した場合、その後の審査は柔軟になる可能性があります。
※特別な認定についてはこちらをご確認ください：「『専修学校の専門課程における外国人留学生キャリア形成促進プログラムの認定に関する規程（令和５年文部科学省告示第５３号）」』２条に定める文部科学大臣による認定」を指します。
学習内容と業務内容の関連性の重要性
【関連性が必要】
・（外国人留学生キャリア形成促進プログラムの認定校でない）専門学校を卒業した方
・学歴なし/10年の実務経験がある方
【関連性は柔軟に判断】
・大学を卒業した方（国内/海外問わず）
・（外国人留学生キャリア形成促進プログラムの認定校である）専門学校を卒業した方
例えば大卒者の関連性はどのくらい必要か、と聞かれることがありますが、体感レベルにはなりますがほぼ関連性は必要ありません。
一方で、認定校では無い専門学校卒業者の場合は、相当程度の関連性が求められており、かなり厳しめに審査をされる印象です。
まとめ
在留資格「技術・人文知識・国際業務」は、日本の専門学校を卒業した留学生にとって主要な就労ビザの選択肢です。しかし、この資格を取得するには、学歴や職歴が就労予定の業務内容と関連していることが必要であり、特に専門学校卒業者の場合、その関連性が厳しく審査される点に注意が必要です。「技術・人文知識・国際業務」を申請する方で、認定校では無い専門卒の方の場合は、学校で学んだ内容と希望する職種の関連性を事前に確認し、必要書類を整えることが成功への鍵となります。
