特定技能1号から2号へ!最新の変更点(日本語検定の必須化・指導要件の緩和)を徹底解説

Akiko Ohkubo

人手不足の解消にとどまらず、優秀な外国人材に長く自社で活躍してもらうため、「特定技能1号」から「特定技能2号」への移行を目指す企業様が急増しています。「特定技能2号」は在留期間の更新に上限がなく、要件を満たせば家族の帯同も可能となるため、外国人材本人にとっても非常に魅力的な在留資格です。

しかし、特定技能制度は現場の実態に合わせてルールの見直しが行われています。既に活躍されている「特定技能2号」の方も対象になる変更も予定されています。今回は、特定技能2号への移行を検討するうえで絶対に知っておくべき「最新の変更点」を2つピックアップして徹底解説します。
本編では今後の採用・育成計画に直結する「日本語要件の追加(厳格化)」と「指導要件の変更(緩和)」の2点について分かりやすくまとめました。

変更点①:来年より「日本語検定」の合格が必須になります!(厳格化のポイント)

まず1点目は、外国人材へのサポート方針に大きな影響を与える「日本語能力」に関する変更です。

これまで、特定技能2号へ移行するための主な要件は「各分野の特定技能2号評価試験(技能試験)への合格」と「一定の実務経験」が中心でした。分野によっては日本語能力試験(JLPT)などの合格は必須要件として明記されておらず、「現場の実務ができればクリアできる」という側面がありました。
※今までに2号移行のために日本語能力が必須となっていたのは、外食業と漁業の一部分野のみでした。

しかし、出入国在留管理庁の最新の運用見直しにより、2027年4月1日以降の在留資格認定証明書交付申請分より、特定技能2号への変更申請において「B1相当以上」の日本語能力が分野を問わず必要になります。

※現時点では海外から招へいする場合の「在留資格認定証明書交付申請」のみ発表されております。「特定技能1号」からの変更申請や既に「特定技能2号」で在留している方の更新申請については発表されておりませんが、現在「検討中」とのことですので、何かしらの変更が入る可能性が高いと言えます。

「B1相当以上」の日本語レベルはどの程度か

「B1相当以上」の日本語能力は、文化庁の「日本語教育の参照枠」において下記のようにレベルが設定されています。

仕事、学校、娯楽でふだんで合うような身近な話題について、共通語による話し方であれば、主要点を理解できる。身近で個人的にも関心のある話題について、単純な方法で結びつけられた、脈絡のあるテクストを作ることができる。

このレベルは、日本語能力試験(JLPT)N3レベル以上とも言われています。

特定技能2号は、単なる一作業員ではなく、現場の「監督者」や「リーダー」としての役割を期待される在留資格です。日本人スタッフや後輩の外国人スタッフに対して、安全管理や業務の的確な指示を行う必要があるため、より実践的で高度な日本語コミュニケーション能力が不可欠であると判断されたためです。

企業と外国人材が「今」すべきこと

この変更は、これから2号を目指す外国人材にとって大きなハードルとなります。「現場の技能試験には合格できそうだが、座学の日本語の勉強は後回しにしていた」という方は少なくありません。JLPTのN3レベルは日常的な場面で使われる日本語をある程度理解できるレベルですが、試験の合格を目指すには相応の学習時間が必要ですので、計画的な準備をおすすめいたします。

変更点②:「指導する相手」の範囲が広がりました!(緩和のポイント)

2点目は、企業側にとって非常に朗報となる「実務経験(指導・監督経験)」に関する要件の緩和です。

特定技能2号へ移行するためには、試験の合格だけでなく、実務において「複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者(班長や職長など)としての実務経験」が求められます。また、当然、「特定技能2号」になってからも指導をすることが前提ではありましたが、この要件について先月にルール変更があり、同一事業所内に所属する他のフルタイムスタッフへの指導が条件となっておりました。
この変更が入って以降、多くの企業様から「うちの現場では、特定技能号外国人の下につく後輩の特定技能外国人がいないから、指導要件を満たせないのではないか?」というご相談を多数いただいておりました。現場のリーダーとして活躍していても、「誰を指導しているか」の解釈が厳格で、要件の証明に苦労するケースがあったのです。

しかし、今回の運用要領の改定により、以下のように現場の実情に合わせた柔軟な取り扱いが明記されました。

1.別事業所のスタッフへの指導も認められるケースが追加

原則として「異なる事業所に出勤している者」は指導対象に含まれませんでしたが、「特定産業分野の特性に応じて合理的な事情があると認められる場合」は、柔軟に取り扱うことが明記されました。 これにより、例えば複数店舗を巡回して指導を行うような業界など、実態として事業所をまたいだ指導が行われている場合でも、要件を満たしやすくなる可能性があります。

2.他の2号外国人との「重複指導」が容認へ

これまで「他の2号外国人に指導を受けている者」は対象外でしたが、「専門性の異なる2号外国人が同一人に対して指導を行う場合」や「分野特有の事情がある場合」など、合理的な理由があれば指導対象者に含めてよいことになりました。 現場に複数の2号外国人がおり、それぞれが異なる専門スキルを同じスタッフに指導しているようなケースでも、適切に指導対象としてカウントできるようになります。

3.一時的な「指導対象者の不在」への配慮

「申請時点において指導対象者が採用プロセス中であり確定していないため一時的に不在である」といった場合でも、合理的な事情として柔軟に審査されることになりました。 これにより「2号の申請をしたいが、ちょうど後輩が退職してしまい、次の人員が来るまで申請できない」といった、企業側の人材の入れ替わりタイミングによる不利益が軽減されます。

まとめ

今回は特定技能2号の最新の変更点を解説しました。「日本語要件の厳格化」の一方で「指導要件の柔軟化」も進み、より現場の実態に即した制度へと変化しています。
ただし、指導要件が緩和されたとはいえ、入管の審査で「合理的な理由」を論理的に説明し、立証する難易度は決して低くありません。「現在の自社の体制で要件をクリアできるか」「どのような書類が必要か」など、少しでもご不安があれば、是非入管業務専門の行政書士や弁護士等へご相談ください。

大久保章子
大久保章子
行政書士
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東京・池袋の行政書士事務所で、外国人ビザ、外国人雇用支援、設備投資などの補助金の申請サポートをしております。全国対応可能
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