日本人と結婚すれば、日本で生活することができるようになります。
ただ、この『日本人の配偶者等』という在留資格は、近年許可を得ることが非常に難しいのも事実です。「ええ!結婚しているのに、日本で生活できないの?」と思われる方もいらっしゃると思います。
結婚をしていれば”当然”に日本で生活できるわけではない、『日本人の配偶者等』の在留資格について説明します。

『日本人の配偶者等』てどんなビザ?

『日本人の配偶者等』で日本に呼べる人

この在留資格で日本に呼ぶことができる家族として、「配偶者(妻・夫)」は当然のこと、日本人の配偶者【等】の【等】には子どもも含みます。まとめると、『日本人の配偶者等』で呼べる家族は以下の通りです。

『日本人の配偶者等』で日本に呼べる人

  • 配偶者:妻・夫
  • 実子
  • 特別養子縁組をした養子

ここで重要なのは、きちんと日本・母国の法律を満たしている必要があるということです。
例えば、日本では女性は16歳、男性は18歳から結婚ができますが、海外では男女ともに18歳以上の国もあります。その場合、日本では結婚が成立しても海外では成立しない場合があります。この場合は、『日本人の配偶者等』のビザは申請できず、母国での結婚が成立するまで待たなければなりません。
また、同様に子供や特別養子縁組をした養子も、母国・日本ともに要件を満たす必要があります。
ただし、養子の場合は場合によっては、『日本人の配偶者等』ではなく『定住者』の在留資格で認められる場合もあるため、上記だけをみて家族で日本にいられないとあきらめる必要はありません。

『日本人の配偶者等』の場合、日本で仕事は自由にできると聞いたけど?

『日本人の配偶者等』の要件は、その在留資格を持っている間その身分であることが求められます。
つまり、離婚をしたら在留資格を変える必要があるけれど、そうでなければ「日本人の配偶者」であればよい、ということです。

このため、どのような仕事を何時間でもすることができます。外国人同士の結婚の『家族滞在』の場合は、扶養の範囲内で最大週28時間まで働くことができ、その場合、風営法で制限のある職種での就労はできませんでした。しかし、『日本人の配偶者等』の在留資格の場合は関係がありません。
もちろん、無職でいることも問題ありません。

『日本人の配偶者等』の審査のポイント

『日本人の配偶者等』は実は不許可率が高い在留資格です。確かに結婚をしていて疑う余地がなかったとしても、入管にそれが伝わらなければ許可を得ることはできません。入管がどのようなことを気にしているのかを解説します。

Check Point1:そもそも『愛』のある結婚ですか?

国際結婚の裏にある『偽装結婚』が大問題になっています。
だから、『日本人の配偶者等』の審査は厳しいんです。そもそも、偽装結婚は入管の法律で禁止されているわけではなく、民法のレベルで禁止をされております。偽装結婚ではない=『愛』のある結婚をしていることが、日本人同士であろうか国際結婚であろうか、そもそも結婚の要件として求められています。
前述の通り、『日本人の配偶者等』の在留資格では、日本人と結婚していればよく、仕事内容に制限はありません。どんな業種にも就くことができ、また無職でも問題ありません。そして、永住者や帰化の要件も通常よりもぐっと緩和されます。つまり、「就労ビザ」よりも「使い勝手」のよいビザであり、悪用されやすいのが特徴です。

「いやいや、でも愛のある結婚してるし。」
と、思われるかもしれません。でも、愛は目には見えないものなので、自分で愛があることを説明しなければなりません。

以上の理由から、『日本人の配偶者等』の在留資格では、「質問書」で出会った経緯~交際に至った経緯~結婚に至った経緯といった内容をかなり恥ずかしいですが詳細に記入しなければなりません。偽装結婚でないのであれば、いくらでも書けるはずです。惜しみなく書かなければなりません。
場合によっては、その「質問書」の内容に加えて、電話の記録やチャットやメールでのやり取りなどかなりプライベートな内容も添付する必要があります。

Check Point2 : 日本で安定した生活を送れますか?

『日本人の配偶者等』の在留資格の場合、特に厳しく年収要件を求められることはありません。しかし、日本で安定した生活を送れることを証明する必要があります。基本的に2人の収入や財産によって毎月赤字を出さずに生活できることをアピールすることが重要です。
例えば、すでにリタイアしたような年齢の場合、貯蓄の証拠であったり、ご両親からの支援がある場合には、その詳細やご両親からのコメントをいただくことも必要な場合があります。

何度ビザを更新しても「1年」の方へ

『日本人の配偶者等』では、取得できた後も維持することが難しいのが特徴です。2人の結婚が本物のもので、お子さんもいて、在留年数が長い方であっても「1年」ビザばかり続く、ということはよくあります。
そういった方で、「1年」ビザを出させている要因の一つに「安定した生活を送れている」ということのアピールが足りないことが考えられます(これ以外の要因ももちろんあります)。更新申請時に入管から求められる必要書類はかなりシンプルで、より長い年数の在留期間を得るためには物足りないケースがほとんどです。
より長い在留期間をご希望の方は、提出書類を工夫する必要があります。

Check Point3:特に難しい申請になる(不許可になりやすい)ケース

上記の通り、『日本人の配偶者等』の場合は偽装結婚を疑われることが審査をむずかしくしている面があります。そのため、偽装結婚が多いと言われるような流れで結婚された方は、特に慎重に申請をしなければなりません。
その例は下記になります。

  • 夫婦の年齢差が大きい場合
  • 交際期間がかなり短い場合
  • 結婚紹介書のお見合いによる結婚の場合
  • 出会い系サイトで知り合った場合
  • 出会いが外国人パブなどの水商売のお店の場合
  • 日本人配偶者側の収入が低い場合
  • 日本人配偶者が過去外国人との離婚を繰り返している場合

これらに該当するような方は、しっかり調べてから申請をするか、行政書士などに予め相談をすることを強くお勧め致します。
また、同居をしない場合も不許可のリスクが非常に高くなります。合理的な理由がない限り認められないと思ったほうがよいでしょう。

『日本人の配偶者等』の手続きについて

国際結婚~在留までの手続きのフロー

『日本人の配偶者等』の手続きは、まずは母国・日本での結婚の手続きを済ませてからになります。
両国で結婚が成立してから、『日本人の配偶者等』の在留資格を申請することになります。国際結婚はかなり時間や労力のかかる手続きになります。また、在留資格の審査期間も海外から呼び寄せる場合は特に時間がかかります。一緒に住むまでに、半年~1年かかることも普通にあり得ることなので、計画的に準備を進められることをお勧め致します。

『日本人の配偶者等』を申請する ~必要書類について~

『日本人の配偶者等』の在留資格認定証明書交付申請をする場合の入国管理局への提出資料は以下になります。
ただし、在留状況によっていかに追加して別の書類を提出したほうがよい場合もあるため、参考程度にして下さい。
出入国在留管理局のHPはこちら

●外国人(申請人)のほうが日本人の配偶者(夫または妻)である場合
1 在留資格認定証明書交付申請書 1通
※ 地方出入国在留管理官署において,用紙を用意しています。また,出入国在留管理庁のホームページから取得することもできます。
2 写真(縦4cm×横3cm) 1葉
※ 申請前3か月以内に正面から撮影された無帽,無背景で鮮明なもの。
※ 写真の裏面に申請人の氏名を記載し,申請書の写真欄に貼付して下さい。
3 配偶者(日本人)の方の戸籍謄本(全部事項証明書) 1通
※ 申請人との婚姻事実の記載があるもの。婚姻事実の記載がない場合には,戸籍謄本に加え婚姻届出受理証明書の提出をしていただきます。
※ 発行日から3か月以内のものを提出して下さい。
4 申請人の国籍国(外国)の機関から発行された結婚証明書 1通
※ 申請人が韓国籍等で戸籍謄本が発行される場合には,お二方の婚姻が記載された外国機関発行の戸籍謄本の提出でも差し支えありません。
5 日本での滞在費用を証明する資料
(1) 申請人の滞在費用を支弁する方の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの) 各1通
※ 1月1日現在お住まいの市区町村の区役所・市役所・役場から発行されます。
※ 1年間の総所得及び納税状況(税金を納めているかどうか)の両方が記載されている証明書であれば,いずれか一方でかまいません。
※  発行日から3か月以内のものを提出して下さい。
(2) その他
※ 入国後間もない場合や転居等により,(1)の資料で滞在費用を証明できない場合は,以下の資料などを提出して下さい。
 a   預貯金通帳の写し 適宜
 b   雇用予定証明書又は採用内定通知書(日本の会社発行のもの) 適宜
 c   上記に準ずるもの 適宜
6 配偶者(日本人)の身元保証書[PDF] 1通
※ 身元保証人には,日本に居住する配偶者(日本人)になっていただきます。
7 配偶者(日本人)の世帯全員の記載のある住民票の写し 1通
※ 個人番号(マイナンバー)については省略し,他の事項については省略のないものとするようお願いします。
※ 発行日から3か月以内のものを提出して下さい。
8 質問書[PDF] 1通
※ 平成29年6月6日に様式を改訂しています。新様式による提出をお願いします。
9 スナップ写真(夫婦で写っており,容姿がはっきり確認できるもの。アプリ加工したものは不可。)2~3葉
10 返信用封筒(定形封筒に宛先を明記の上,404円分の切手(簡易書留用)を貼付したもの 1通
11 身分を証する文書等 提示
※ 上記11については,申請人本人以外の方(申請が提出できる方については,こちらのページを参照して下さい。)が申請を提出する場合において,申請を提出できる方かどうかを確認させていただくために必要となるものです。

●外国人(申請人)のほうが日本人の実子・特別養子である場合
1 在留資格認定証明書交付申請書 1通
※ 地方出入国在留管理官署において,用紙を用意しています。また,出入国在留管理庁のホームページから取得することもできます。
2 写真(縦4cm×横3cm) 1葉
※ 申請前3か月以内に正面から撮影された無帽,無背景で鮮明なもの。
※ 写真の裏面に申請人の氏名を記載し,申請書の写真欄に貼付して下さい。
3 申請人の親の戸籍謄本又は除籍謄本(全部事項証明書) 1通
※ 発行日から3か月以内のものを提出して下さい。
4 日本で出生した場合は次のいずれかの文書 1通
(1) 出生届受理証明書
(2) 認知届受理証明書
※ 発行日から3か月以内のものを提出して下さい。
※ 上記(2)については、日本の役所に届出をしている場合にのみ提出していただきます。
5 海外で出生した場合は次のいずれかの文書 1通
(1) 出生国の機関から発行された出生証明書
(2) 出生国の機関から発行された申請人の認知に係る証明書(認知に係る証明書がある方のみ)
6 特別養子の場合は次のいずれかの文書 1通
(1) 特別養子縁組届出受理証明書
(2) 日本の家庭裁判所発行の養子縁組に係る審判書謄本及び確定証明書
7 日本での滞在費用を証明する資料
(1)  申請人の滞在費用を支弁する方(複数の方が扶養する場合は収入の多い方)の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの) 各1通
※ 1月1日現在お住まいの市区町村の区役所・市役所・役場から発行されます。
※ 1年間の総所得及び納税状況(税金を納めているかどうか)の両方が記載されている証明書であれば,いずれか一方でかまいません。
※ 発行日から3か月以内のものを提出して下さい。
(2)  その他
※ 入国後間もない場合や転居等により,(1)の資料で滞在費用を証明できない場合は,以下の資料などを提出して下さい。
  a 預貯金通帳の写し 適宜
  b 雇用予定証明書又は採用内定通知書(日本の会社発行のもの) 適宜
  c 上記に準ずるもの
8 身元保証書[PDF] 1通
※ 身元保証人には,日本に居住する日本人(子の親又は養親)等になっていただきます。
9 返信用封筒(定形封筒に宛先を明記の上,404円分の切手(簡易書留用)を貼付したもの 1通
10 身分を証する文書等 提示
※ 上記10については,申請人本人以外の方(申請が提出できる方については,こちらのページを参照して下さい。)が申請を提出する場合において,申請を提出できる方かどうかを確認させていただくために必要となるものです。

出入国在留管理庁HPより

まとめ

以上、『日本人の配偶者等』について解説致しました。
『日本人の配偶者等』は家族であれば当然に日本に呼ぶことができる在留資格(ビザ)ではありません。偽装結婚が増えているため、審査が厳しくなっています。しっかり準備を行って、いち早く家族で日本で生活ができるといいですね。